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トップページ >> 歴史 >> 萩原朔太郎 
 
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萩原朔太郎の世界
  35号より(シリーズ第十回)
朔太郎と月
 
 

 萩原朔太郎の詩作品にしばしば登場する語に、「月」があります。

 朔太郎の第一詩集は、1917(大正6)年に刊行された『月に吠える』ですが、このタイトルは、一度見たら忘れないようなインパクトを持っています。犬や狼などの動物が月に向かって吠えるというイメージは特に珍しいものではないのに、このタイトルの印象が強いのは、主語を省略しているため何が吠えているのかよくわからないこと、通常は名詞を用いるタイトルに「吠える」という動詞の終止形を用いていることから、読む者に、一般的なタイトルとは異なるどこか落ち着かない印象を与えるためではないでしょうか。

 月に吠える犬は、自分の影に怪しみ恐れて吠えるのである。疾患する犬の心に、月は青白い幽霊のやうな不吉の謎である。犬は遠吠えをする。

 私は私自身の陰鬱な影を、月夜の地上に釘づけにしてしまひたい。影が、永久に私のあとを追つて来ないやうに。

 これは、朔太郎が書いた自序の末尾にある文章ですが、詩集のタイトルの説明にもなっています。この詩集には「月に吠える」というタイトルの詩はありませんが、月に吠える犬は登場します


ぬすつと犬めが、
くさつた波止場の月に吠えてゐる。

「悲しい月夜」

とほく、ながく、かなしげにおびえながら、
さびしい空の月に向つて遠白く吠えるふしあはせの犬のかげだ。

「見知らぬ犬」

『月に吠える』の詩にみられる月は、澄明な美しい月ではなく、どこか不安や不調和を伴う月です。
第二詩集『青猫』(1923年)にも、「月」はしばしば現れます。
 


重たいおほきな羽をばたばたして
ああ なんといふ弱弱しい心臓の所有者だ。
花瓦斯のやうな明るい月夜に
白くながれてゆく生物の群をみよ

「月夜」

花やかな月夜である
しんめんたる常盤木の重なりあふところで
ひきさりまたよせかへす美しい浪をみるところで
かのなつかしい宗教の道はひらかれ
かのあやしげなる聖者の夢はむすばれる。

「仏の見たる幻想の世界」

幻想的で気だるい雰囲気の中に、美しい月夜が描かれています。ここには、『月に吠える』にみられるような不安を伴うイメージはありません。
 
     
 
 朔太郎の詩歴の中では前期にあたるこれら2冊の詩集に比べ、後期の詩には「月」の語はあまりみられませんが1934(昭和9)年に刊行した『氷島』という詩集には、「遊園地にて」という詩が収められています。  
『萩原朔太郎詩集』 <新潮文庫> 
1984年55刷 (1950年初刷)


遊園地(るなぱあく)の午後なりき
楽隊は空に轟き
廻転木馬の目まぐるしく
艶めく紅(べに)のごむ風船
群集の上を飛び行けり。

 

 

 この詩には、恋人と過ごす午後の遊園地の様子が描かれています。「るな」とは英語で“lunar”すなわち「月の」という意味です。明治末期から大正期にかけて東京浅草にルナパークという名の遊園地がありましたが、この詩は、ここから着想を得ているのかもしれません。「遊園地」に「るなぱあく」と平仮名でルビを振っているのが印象的です。

 
 
     
 

1920(大正9)年
ごろの朔太郎
   ところで朔太郎は、自分の名前について、「僕は十一月一日に生れた。長男で朔日生れの太郎であるから、簡単に朔太郎と命名されたので、まことに単純明白、二二ケ四的に合理的で平凡の名前である。」(「名前の話」、『阿帯』1940所収)と述べています。  太陰暦では、地球から見て太陽と月が重なって月が見えなくなった後、最初に細い月が見える日を朔日(ついたち、さくじつ)と呼びます。だから、月の初めの日を朔日というのです。また、「朔」の字にはもともと、月がよみがえるという意味があるのだそうです。
朔太郎自身は簡単に名づけられたと言っていますが、月との深い関わりは、生まれてすぐに運命付けられたものと思えてなりません。
 
     
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